小柄の小松です。今回はファッションブロガーMB氏の”ドレスとカジュアルのバランス”について。
男性ファッションをゼロから解説するMB氏のメルマガ「最も早くオシャレになる方法」。その購読者数は1万人以上で、媒体によっては堀江貴文氏を超える人気度。
初心者でもわかりやすく工夫されたコンテンツですが、実はこの理論、深く掘り下げしていくほど隙のない理屈だということがわかります。
僕はMB氏のメルマガ購読年月は約3年半ほどですが、その視点で”MB理論”について書きたいと思います。
ドレスとカジュアルのバランスを100%理解したと思ってる方へ【ちゃんと読むべき】
タイトル通りですが、MB氏のファッション理論を全部理解したと思っている方は要注意です。
僕自身、すべてを理解できているとは思いません。けれどむかしは100%理解できてると調子に乗っていた時期がありました。
MB氏のメルマガは本来の2,3割しか説明していない
まずMB氏の”ドレスとカジュアルのバランス”についてあらためて簡単におさらいしたいと思います。
この理論を一言で説明すると「スーツ要素のある服とジーンズなどのラフな服を、やや大人っぽく組み合わせる」ということになります。
スーツ要素のある服=ドレス
ラフな要素のある服=カジュアル
このように置き換えて、ドレス:カジュアル=7:3など、ドレスよりに合わせるとオシャレに見えやすいよということがメインで説明されています。
たとえばこの服装でいったら、コートや革靴はビジネスで使われるイメージの強いもの。ジーンズやリュックは普段着として使うイメージの強いものです。
それらをバランスよく組合せるのがMB理論の基本ということになります。
しかしこのバランスの取り方、実は突き詰めていくと意外と奥が深いです。ただコートにジーンズを合わせればいいというわけでもありません。
たとえばこの服装はMB氏が3年以上前に紹介していたMA-1ブルゾンの記事をもとにしています。
✴︎MB氏のコンテンツは画像転載NGなのでリンク先からご覧ください。
ドレスとカジュアルのバランスを知っている方なら、おそらくここで黒スキニーを合わせる方が大半だと思います。
けれどリンク先を見るとわかりますが、MB氏ご本人はインディゴのジーンズを合わせています。
当時はいまよりもシンプルな服装が流行っていたので、黒スキニーを特にオススメされていました。けれどここではインディゴジーンズを合わせている。
実はコレは適当に合わせているのではなく、MA-1の特徴をしっかり捉えたうえでの組合せなんです。
これに関しては上記記事でも書かせていただきました。
MA-1は光沢がある目立つ素材。その素材の強さに負けないように、黒スキニーではなくインディゴデニムを合わせています。
さらに細かいことをいうと、僕が着てるMA-1は袖にポケットが付いていますが、MB氏が着てるMA-1には袖にポケットがありません。
ポケットがないと、そのぶんナイロンの面積が増えて光沢が目立ってしまう。そこでMB氏はブルゾンの袖をまくって、白い時計とブレスレットを見せています。
白はすべての色のなかで最も明るく目立つ色。それを挟むことで、MA-1だけが目立たないよう全体でバランスを整えているんですね。
これだけ聞いてもいまいちピンとこないと思いますが、MB氏の着こなしはこういった説明が省かれていることが多いです。
「上半身が明るいコートなので、下半身は細身のパンツにしてYラインにしています。」
こんなふうに簡潔に書かれていることは多いですが、メルマガで書かれている着こなしのポイントは全体の2,3割程度と思ったほうがいいです。
細身のパンツと言ってるけれど、コートの色味に合わせて黒スキニーではなく明るいダメージジーンズを使っていたり、靴下やスニーカーに白を入れて膨張させたり。
1つのひとつの服装がかなり計算された合わせになっているので、言葉の表面だけを捉えていると、いざ自分でオリジナルの服装を考えるときに失敗しやすくなるのです。
細かく説明しないのは、おそらく読者のハードルを下げるためだと思われます。
「結局ファッションは難しいじゃんか」と思われたら本末転倒なので、ハズせないポイントだけに絞って伝えてくださってるのでしょう。
そういったメルマガの”裏”を読み解いていくと、合わせるパンツや靴選びのコツが段々わかってくるようになります。
細かい説明になるので詳細は省きますが、たとえばこのコートでバランスを取ろうと思ったら黒スキニーはかなり難しいです。だからインディゴデニムを使っています。
「自分はドレスとカジュアルのバランスを100%理解した」
メルマガを購読して半年程度で僕はそう思っていましたが、これはとんでもない誤解です。
・なぜこのコートにこのパンツを合わせているのか?
・なぜここで明るいバッグを使っているのか?
・なぜキャップではなくニット帽をかぶっているのか?
これらをジックリ考えると、答えが段々見えてきます。
試しにMB氏の数年前の着こなしを眺めてみてください。アイテム数が少ない服装であっても、ビックリするほど隙のない組合せになってることがわかるかと思います。
「MB理論でオシャレになれない」と語るブロガーは正しいのか?
ネットを見渡すとMB氏の理論に対して否定的な意見をチラホラ見かけます。「ドレスとカジュアルのバランスだけじゃオシャレになれない」といった記事ですね。
彼らが言いたいことはとてもよくわかるのですが、ハッキリいってこれらは無視していいです。
否定的な要素が強い人ほど、それを解決してくれる”分かりやすい代替案”は誰も提案できていないからです。
非常に抽象的な表現をされる方も多く、もとからファッション感度がかなり高くないと理解できないような内容ばかりです(なので僕はわかりませんでした)。
それなら極めて単純な”ドレスとカジュアルのバランス”を突き詰めていったほうが近道だといえます。
そもそもMB理論の本質を僕らメルマガ読者が理解しきれていないのも問題の1つだと思います。
過去の僕がそうでしたが、ユニクロでしか買ってないのに「ユニクロだけでオシャレできる!」と言ったり、逆にユニクロではオシャレが難しいと言って混乱させたり。
本来はアイテムの特徴を見極めて上手にユニクロを取り入れればいいだけの話なのに、両極端な意見を言ってMB理論をねじ曲げて伝えてしまっている。
ちょっと宗教的な表現になりますが、「MB理論ではオシャレになれない」と外野に言わせないために、僕らが理論をキチンと理解する。
うまく取り入れればスタイルの良さに関係なく活かせるのだから、結局理論を使う僕ら側の問題ではないでしょうか?
どんな業界もそうだと思いますが、シンプルな理論ほど、根っこの部分まで突き詰めていかないと中途半端なところで終わってしまいます。
MB氏が20年近くかけて体系化した”ドレスとカジュアルのバランス”。冷静に考えたら、それを数年ですべて理解するのはムリがあるはずです。
「もう全部わかった」とは考えず、自分はまだまだ経験が浅いということを自覚しながら、1つずつ実践していくのがいいでしょう。