小柄の小松です。今回は2020年秋冬ユニクロUのロングコートのレビューです。
9月18日(金)に発売されたユニクロU。比較的落ち着いたデザインや色のものが多く、地味だと感じる方も多いと思います。
今回のコートもまさにそんな印象があった服の1つ。
けれど実際に着てみると、いままでとは全く違うアプローチで作られたコートであることがわかりました。
【2020年秋冬】ユニクロUのダブルフェイスオーバーコートと普通のチェスターの違い【レビュー】
こちらが今回紹介するユニクロUのダブルフェイスオーバーコート
身長162cmの小松はブラックのXSサイズを購入しました。
パッと見のデザインはいままでとほぼ同じ?
上の写真を見てもらうとわかりますが、パッと見はどこでも売ってそうなチェスターコート。
けれど実際は一般的なコートとはつくりが違います。今後のトレンドに合わせて、微妙に違う仕様になっているんです。
まずはこれまでと似てるデザインなら見ていきますが、ラペル(襟)のデザインはいつものように少し低くなっています。
ひし形になってる端の切れ目。これはゴージラインと呼ばれますが、ユニクロUのコート・ジャケット類はこのゴージラインを意図的に低い位置に付けています。
襟が低いと普通のコートよりも柔らかい雰囲気が出て、ラフで街着のような印象を足すことができるもの。
ユニクロUが2016〜2018年までに出したチェスターコートはすべて同じ仕様。今回のコートも襟を下げて、普段着の印象を強めてる点は同じです。
次にポケットですが、ボディの上から縫い付けた”パッチポケット”と呼ばれる形。
ユニクロの通常ラインで扱ってるチェスターコートなどはサイドポケット式で、ポケットの形が目立たないつくりになっています。
ユニクロUはあえて目立つポケットにすることで、スーツ要素の強いロングコートにアウトドア用品のような装飾をプラスしてるんですね。
ちなみに袖先にはボタンが付いていません。
コートやジャケットの袖にはボタンがいくつか付いていることが多いですが、何も付けないことでスーツ要素を削るというアプローチ。
これもロングコートをラフにするための仕様の1つです。
低いゴージライン、目立つパッチポケット、ボタンのない袖先。
どれもこれまでのチェスターコートと同じ仕様。もはや定番と化してるので見飽きたという方も多いと思います。
けれど実は1点だけ明確に違うデザインがあります。それが今回のコートをオーバーサイズにしてる1番のポイントといえるのです。
身幅が広いオーバーサイズコート
“オーバーコート”と書かれていますが、名前の通りいままでのコートよりゆったりしたサイズに変更されています。
その鍵となっているのはボタンの配置。
中央のボタンを少しズラして付けることで、身幅が広くなるよう工夫されているんです。
こちらは普通のチェスターコートのボタン。
ボタンが中央寄りについた普通のコート。特にこれといった違和感のない形です。
一方こちらが今回のオーバーコート。
上のコートと比べるとわかりますが、ボタンが中央より少し外側に付けてあります。
この形になっていると、ボタンを開けたときにコートが横に広がるシルエットになるんです。
これはダブルジャケットを想像してもらえると分かりやすいかと思います。
ダブルジャケットはボタンが少し外側に付いていますが、ボタンを閉じるとコンパクトになり、ボタンを開けるとブワッと身幅が広がりますよね?
今回のコートは縦1列にボタンが付いていますが、実はダブルジャケットのデザインを取り入れた仕様になっているんです。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E431340-000/00?colorCode=COL09
今期のユニクロUの画像を見ると、やたらとアウターのボタンを閉じた着こなしが多いことに気づきます。
普通のコートはボタンを閉じるとどこか不格好な印象が出ますが、ボタンをズラして身幅を広く取ることで、閉じてもバランスが良くなる形に調整している。
こういった意味でもダブルジャケットの仕様を取り入れているということになります。
ちなみにコートの裾にはスリットが入っていません。
後ろにスリットが入っているとコートの裾が後ろに逃げてくれてコンパクトになりますが、ないと身幅が広くなります。
過去のチェスターコートはスリットが入ってるものもありましたが、今回は身幅を広くするためにスリットを付けていないのだと思います。
実際着てみるとわかりますが、腰から裾にかけてかなり横に広がるシルエットになってます。
なので普通のチェスターコートと同じ感覚で羽織ると、コートの大きさだけが悪目立ちする可能性が高い。
明るい色のトップス、ゆったりしたパンツなどを合わせれば解決できますが、細身のジーンズとかだとちょっと着こなしが難しい。
もしこの服をオシャレに着こなしてる方がいたら、インナー選びに注目してみてください。トップスの色を明るくしたり、ゆったりサイズのパンツを合わせている人が多いはずです。
それと細かいですが、コートの襟裏にはボタンが付いてます。
ボタンを閉じればステンカラーコートのように襟を高く見せることが可能。
こうすると顔の大きさが強調されるので好みが分かれるところですが、海外トレンドを見るとコートのボタンを閉じた着こなしが増えているので、それを意識したデザインといえるでしょう。
大げさに聞こえるかもしれませんが、これまでのコートよりもオーバーサイズになってるのは間違いありません。
このコートはブラック・グレーの2色展開ですが、着こなしやすいのは細く見えるブラックのほう。
着丈はそこまで長くないですが、特に身長が低い男性は「服に着られてるような状態」を避けるための工夫が必要になってくるでしょう。
さらっと羽織れるウール素材
着こなしのハードルが高くなったコートですが、秋冬用コートとしてはかなり使いやすい仕様になってます。
まずは素材。オモテの素材はウールとポリエステルを混ぜたものですが、軽いのに秋冬の暖かさがある見た目になってます。
真冬だとウルトラライトダウンなどを足してあげる必要がありそうですが、ウールコート=重いというイメージを覆してくれる軽さです。
コートの裏ですが、背中の一部にはポリエステル素材の裏地が付いています。
袖も同じ素材。ウールのチクチクを和らげてくれますし、袖を通すときもストレスフリーな着心地です。
それとコートの裾裏には隠しポケットもあり。
左右に付いてますが、こちらは一般的なスマホが入るサイズ。オモテのポケットより小さくて地味ですが結構便利な仕様です。
左下にはユニクロUのタグが付いているので少し気になりますが、裏なので基本的に外からは見えません。
・ダブルジャケットを意識したボタン配置
・身幅が広いのでインナー選びは工夫が必要
・軽い素材×使いやすいポケット
これからオシャレをしたいという方にとっては少しハードルの高いコートですが、普通の黒コートに飽きたという方にはちょうどいいデザイン。
今後のトレンドを踏まえてアップデートした、あたらしい形のロングコートといえるでしょう。ユニクロ ダブルフェイスオーバーコート