小柄の小松です。今回はチェスターコートのボタンを閉じる着こなしについて。
チェスターコートを使った秋冬の着こなしはボタンを開けて着るのが一般的ですが、実は最近のコートは「ボタンを閉じて着る」ことを想定したものが増えています。
開けても閉じても大して変わらなそうですが、実際はポイントをおさえないと妙に野暮ったく見える場合も少なくありません。
今回の考え方を知っていると、チェスターコートの着こなしにバリエーションが増え、どんな服なら相性がいいかヒントが見えてくると思います。
チェスターコートのボタンを留めるメンズコーデで失敗しない方法
ということでチェスターコートのボタンを留めた着こなし提案です。
下記に使用アイテムを載せてますが、後ろの数字がサイズです。
使用アイテム
ユニクロU:ダブルフェイスオーバーコート(XS)
ユニクロ×JWA:ローゲージセーター(M)
ユニクロU:ウールブレンドジャージーパンツ(70)
adidas:スーパースター80s RECON(25cm)
ランバンオンブルー:レザークラッチ
CA4LA:麻風キャスケット
agnes b.:ロゴピン
amp japan:オーバーラップリング
amp japan:イヤーカフ
JINS:ファインフィットシートチタン
この着こなしで気を付けたポイントを書いていきます。
明るいインナーの面積を増やす
ボタンを閉じて着るときに1番おさえてほしいのは、いつもより合わせる服を”明るくする”ということです。
当たり前といえばそうですが、ボタンを閉じるとインナー・パンツの見える面積が少なくなりますよね?
そうすると逆にコートの面積が増えてしまい、着こなしが重く地味に見えてしまうんですね。
たとえばトレンチコートの場合はそこまで地味な印象が出ません。
トレンチにはボタン・腰ベルトなど装飾が多いので、ボタンを閉じてもほどほどにアクセントがでるようになってるからです。
トレンチは身幅が広かったり着丈が長いことが多いので別の難しさもありますが、デザインの量という点では着こなしやすい。
一方で無地のチェスターコートはボタンを閉じるとかなり地味な印象が強くなります。
このコートは腰に”パッチポケット”という目立つデザインが入っているのでまだ平気なほうですが、アクセントになるのはそのポケットと中央のボタンくらい。
しかもコートと同色で小さいので大して目立たない。パーカー・スラックス・スニーカーで色を足してますが、それでもトレンチの服装よりノッペリしていて地味に見えますよね?
もちろんボタンを開ければインナーやパンツで遊ぶことができるので、シンプルな形を活かすことができます。
けれどボタンを閉じるとそのシンプルさがデメリットに変わってしまう。なのでチェスターコートでボタンを閉じる着こなしって意外と難しいんですね。
この地味問題をどう解決するかがカギになってきます。
そこで今回工夫したのは、なるべくインナーを明るく見せるということ。
実際ネイビーパーカーからベージュセーターに変えたことで明るさが増しました。ピンバッジも付けてさらに明るさをプラスしています。
ここで意外と重要なのは、袖先からもセーターをチラ見せしてること。
そのまま着ると、明るいのが首元・下半身だけになってかなり地味。なので袖先も明るく見せて3ヶ所にアクセントが出るようにしました。
試しに袖先のセーターを指で隠してみてください。好みは分かれると思いますが、だいぶ印象が違うのがわかるかと思います。
クラッチバッグで腰まわりを埋める
色に関しては上記の通りですが、続いてバッグ選びです。
今回クラッチバッグを手持ちしていますが、これはコートの地味な印象を減らすため。
たとえばリュックは上半身、トートバッグは下半身に装飾を足せますが、クラッチバッグを手持ちすれば中央に装飾を足せる。
インナー・パンツでコートの先端に装飾を足しつつ、バッグで腰まわりも埋めてバランスを取るという方針です。
そしてもう1つの理由はコートの身幅を誤魔化すため。
もう一度パーカーver.を見てもらうとわかりますが、ボタンを閉じることを想定したコートは身幅が広い傾向があります。
これはタイトすぎるとボタンを閉じたときに不恰好になるから。なので最初から身幅を広めにとることで、閉じてもパツパツにならないようにしてるんですね。
けれど身幅が広すぎると野暮ったさが増し、さらには太って見えやすい。
そこで腰まわりにバッグがくるようにして、コートの身幅を誤魔化しました。キメすぎになったぶんは帽子をかぶって打ち消しています。
バッグありきの着こなしなんて面倒くさい話ですが、意外とバッグの選び方で全体のシルエットは変わってきます。
ちなみにこのコートは海外デザイナーが関わってるユニクロUのものですが、最近は通常ラインのユニクロでも身幅が広いコートが多いです。
合わせるインナーなどでバランスは変わってきますが、「身幅の広さを誤魔化すバッグ選び」を意識するのがベターといえるでしょう。
パンツにクッションをつける
それと細かいことですが、今回はパンツの使い方にも少し工夫を入れてます。それは”クッションをつける”ということ。
色数を増やしたり帽子をかぶったりしましたが、コートのボタンを閉じてクラッチバッグを持ったのでかなりキメすぎな印象が出てしまう。
そこでパンツの腰位置を下げてクッションを付けてあげる。すると足元にルーズな印象が出るので、コートやバッグのかっちりした印象を崩すことができるんですね。
「パンツにクッションをつける」って抵抗がある人も多いと思いますが、これは大人びた洋服を使ったときほど効果的なテクニックです。
たとえばかっちりした印象の強いダブルジャケット。ここに黒い服を合わせると重く見えがちですが、足元にシワがあるおかげで適度にラフな印象を残してくれるんですね。
そして最近はフレアパンツ・ストレートパンツなど裾幅が広いものが多いので、パンツを靴にかぶせる組合せが簡単。
細身のパンツだと妙にシワが目立つことが多いですが、靴にかぶせてクッションをつければそこまで悪目立ちしません。一度やってみると意外とすんなり受け入れられるので、結構オススメな方法です。
ということで今回のポイントは…
・明るいインナーの面積を増やす
・クラッチバッグで腰まわりを埋める
・パンツにクッションをつける
ぜひこの考え方を頭の片隅に入れてみてください。