ファッション

「スラックスの裾上げ」をユニクロの店舗でやると失敗する理由

小柄の小松です。今回はスラックスのお直しで失敗しないための知識について。

スラックスはユニクロでもたくさん売ってますが、股下が長いときはお直しする人が多いはず。

ユニクロの商品なら店舗でも裾上げできるんですが、実はお店でお直しを頼むと「裾まわりが崩れやすい」というデメリットもあります。

そこで今回はスラックスのお直しで知ってほしい豆知識を紹介。この話を知ると「ユニクロとお直し屋で値段が全然違う理由」が分かると思います。

「スラックスの裾上げ」をユニクロの店舗でやると失敗する理由

ということでユニクロスラックスの裾上げについて話します。

あくまで「スラックスの仕上がりにこだわる人」に向けた内容です。

多少のことは気にしないという人は問題ないです。けれどスラックスを裾上げするときは絶対に知ってて欲しいと思います。

①まつり縫いでも跡が残る

まずスラックスの裾上げは基本的に「まつり縫い」という方法をお願いすることになります。

これは簡単にいうと「縫い目がオモテに出ないお直し」のこと。

ジーンズやワークパンツは裾まわりに目立つステッチが入っていて、ラフな印象があります。

けれどスラックスはフォーマルな洋服。そういうステッチが見えてると大人っぽさが崩れてしまいます。

なので縫ってはいるけどオモテから見えない「まつり縫い」が理想。ただし無料のミシン縫いと違って300円くらい掛かります。

そんなまつり縫いですが、実はユニクロの店舗で頼むとステッチが妙に目立ってしまうことがあります。

「え?まつり縫いを頼んだのに意味ないじゃん」という話ですよね。ただ実際これは結構起こります。

そもそもスラックスは裾に向かって少しずつ細くなるものが基本。たとえば2cmお直しする場合でも、上と下では裾幅がちょっと違います。

つまり冷静に考えると「裾上げが長いほど形が歪みやすい?」ということになります。

ただそれでは困るので、お直し屋さんは「とある工夫」をしています。

こちらは裾を折り返した部分。

よく見ると、ほんの少しだけ縫ってある部分があります。これは裏地を一度ほどいて「裾幅を広げた跡」です。

生地の余りを使って、裾幅がキレイに繋がるようにしています。こうすることで裾上げしても形が歪まないように工夫しているんですね。

こちらはユニクロの店舗でお直ししたスラックス。裾上げの繋ぎめが歪みやすくなります。

まつり縫いをユニクロ店舗で頼むと300円くらい。お直し屋さんは最低でも1000円。お直し屋のほうが高いのは、こういう細かい処理もやってくれてるからです。

逆にユニクロは300円でできる範囲のことだけやってるということです。あくまでオプションとして最低限の処理をしてるんですね。

たかが裾幅ですが、スラックスみたいに繊細な服はこの一手間で仕上がりが変わってきます。

しかも店舗のスタッフさんによって仕上がりにバラつきが出てる気もします。

店舗でのお直しを否定してるわけではありません。

ジーンズは30分くらいで出来上がりますが、スラックスは翌日仕上がりと言われることがあります。それだけ手間がかかるということなんでしょう。

普段着用ならそんなに気にしなくていいですが、仕事用としてキッチリさせたい人は仕上がりに違和感を覚えるはずです。

②裏地が3cmしか残せない

もう1つ知ってほしいのは「折り返し部分の長さについて。

この折り返しは「ヘム」と呼ばれる部分です。店舗でお直しを頼むと、ヘムの長さは3cmくらいで仕上がります。

理由は「裾の歪み」を最小限に抑えるため。店舗でのお直しは簡易的なので、たとえばヘムを5cmにすると縫い跡がかなり目立ってしまうんですね。

このヘムが3cmだと、あとから股下を長くするのが難しくなります。

実際に穿いてると「やっぱりもう少し長いほうがいい」と思うときがありますよね。

そのときヘムが短いと長くのに限界があります。1cmくらいはイケますが、それだとヘムの幅が極端に狭くなるので見た目と耐久性が落ちます。

「この長さで100%問題ない」という場合は別です。けれどパンツは実際に穿いて動かないとベストな長さが分かりにくい。

あと普段着だと「ロールアップがやりにくい」というデメリットもあります。

ヘムが長ければ裾を多少まくっても問題ありません。けれど短いとロールアップしたときに繋ぎめが半端に出て、かなり不恰好になってしまいます。

靴を変えたときなど、裾丈を短くしたいと思うこともありますよね。ロールアップすれば解決しますが、ヘムが短いとそれができなくなります。

仕上がりに違和感が出やすく、あとから調整するのも難しい。これが300円でできるお直しの限界です。

ただしヘムを長くするほど縫い跡は目立ちやすくなります。

たとえば7,8cmくらい残すとお直し屋で頼んでも跡が見えてしまう場合がある。ただそれでもユニクロ店舗の3cm残しよりは目立ちにくい。

なので仕上がり方・ロールアップのことを考えたら、5,6cmくらい残すのがちょうどいいかと思います。

③1回目の裾上げはOK

https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E444597-000/00?colorDisplayCode=08&sizeDisplayCode=073&utm_medium=social&utm_source=appshare

基本的にはやらないほうが良いと考えてますが、僕自身は店舗お直しを活用することもあります。

たとえば股下がメチャクチャ長いスラックスのとき。ユニクロだと「ストレッチウールパンツ」などです。

こういうスーツ用だと小さいサイズでも股下85cmのものがあります。僕は65cmくらいにしますが、もとが長いと1発で裾丈を決めるのが難しい。

しっかりピンで留めたとしても、生地がダボついてると仕上がりのイメージが分かりにくいんですね。

そういう長いスラックスは2段階お直しすることが多いです。

まず股下85cmを店舗お直しで70cmにする。そして残り5,6cmをお直し屋さんでキレイに仕上げる。

2回ともお直し屋にしたら3000円近くなりますが、店舗お直しを挟めば2000円以下に抑えられます。あくまで補助的に活用するという感じです。

繰り返しになりますが、店舗お直しを否定してるわけじゃありません。お直し屋が高いのではなく、ユニクロの300円が安すぎるのです。

どこまでお金をかけるかは人それぞれですが、どちらも値段に見合ったお直しをしてくれてるという話です。

①まつり縫いでも跡が残る
②裏地が3cmしか残せない
③1回目の裾上げはOK

ぜひ今回の考え方を参考にしてみてください。

 

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