小柄の小松です。今回はサイズの合わないTシャツをお直しするときに知っておきたいポイントについて。
洋服は特定の個人向けにつくられているわけじゃないので、裾丈・身幅など自分の体型と合わない部分が出てきやすいものです。
そこで便利なのが、自分のサイズに合わせるために”お直し”を活用するという方法。
けれどやり方によっては失敗したり、そもそも手を加えないほうがいいというパターンもあるんです。
Tシャツのお直しで失敗しない3つのポイント【デザイン・裾丈・身幅】
たいていの洋服はお直しできるものですが、Tシャツというシンプルなアイテムですら失敗する可能性があります。
そもそも洋服はその大きさに合わせたデザインでバランスを取っていて、既製品は完成されたシルエットだからです。
整形みたいなものですね。顔の一部にメスを入れると元のバランスが変わるので、やり方によっては明らかにおかしいことになる。
洋服も同じで、お直ししたらシルエットが極端に崩れるということがありえるんです。
デザインTシャツはやらないほうが安全
まずそもそもお直しをしないほうがいいTシャツというのがあります。凝ったつくりのデザインTシャツです。
このTシャツはポケットの上にさらに文字がプリントされていますよね。
こういったTシャツの裾丈を短くした場合、デザインの余白が減ってしまうので違和感が出やすくなるんです。
試しに裾を数センチ折り返してみます。
裾丈が短くなればダボダボ感を抑えることができますが、ポケットまわりが少し大きく見えることになるわけです。
しかもこのTシャツ、背中も色が切り替わっています。
丈詰めしたら色の比率も変わってしまうので、全体のバランスが大きく崩れてしまうんです。
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これもそうですね。普通のシャツと違って、ボタンが裾の手前までしかないアイテムです。
このTシャツの裾丈を短くすると、裾とボタンデザインの距離が近づきすぎてしまうので、全体のバランスが大きく崩れてしまいます。
丈が長いままだと気になってしまうものですが、もとのデザインが崩れるよりはマシ。
凝ったデザインTシャツは無理してお直しせず、そのままの状態で着るのが安全といえます。
裾丈は詰めすぎると失敗する
また、裾丈は詰めすぎると失敗します。
鏡の前でジャストサイズだと思っても、実際にその服を着て動くことを考えないと、短くなりすぎる場合があるんです。
僕が以前失敗したのがこのTシャツ。
そのままだと長かったので丈を短くしましたが、やりすぎたことで身幅がキツくなってしまったんですね。
鏡で見たときは問題なかったんですが、実際に動いてみると毎回裾がパンツの腰位置あたりまで上がってきて、とてもストレスが溜まりました。
Tシャツの身幅は脇から裾にかけて一定とは限らないので、丈詰めすると洋服の身幅がキツくなってしまう可能性がある。
丈詰めをするときは、鏡で見たときに少し緩くなる程度に抑えておくのが確実です。
身幅詰めは袖・肩幅・着心地が変わる
丈詰めだけでなく、お直しで身幅を詰めることもできますが、ここでも注意してほしいことがあります。
身幅をいじるときは袖幅も詰めることが多いので、肩幅も一緒に狭くなってしまうからです。
イメージとしてはこんな感じですね。
身幅だけを詰めると全体のバランスが崩れてしまうので、袖下から緩やかに狭くしていくことになります。
もとの状態より袖の生地がピンと張るので、それに合わせて肩幅も少し狭くなる、というわけです。
袖をいじらず身幅だけを詰めることもできますが、袖だけがブワッと広がって見えてしまうと違和感が出やすい。
逆に袖だけ短くしたら身幅が変に広がって見える可能性もある、ということになります。
お直し屋さんはそういった特殊なお直しを嫌がる方が多め。部分的なお直しが洋服のシルエットを崩しやすいことを知っているからです。
ちなみに身幅を詰めると脇に縫い目ができます。
Tシャツのなかには脇に縫い目のない”丸洞編み”というタイプがありますが、身幅詰めは縫い目がプラスされるので、想像よりも脇のゆとりがなくなってしまうんですね。
裏返すとこんな感じ。身幅を詰めたぶんだけ生地が内側に溜まることになります。
丸洞編みのTシャツは着心地がとてもいいので、縫い目がつくだけでかなり違和感を覚えることになると思います。
Tシャツに限ったことではないですが、身幅を詰めるときは袖・肩幅・着心地がセットで変わるという前提で考えてみてください。
「デザインは好きだけど長くて緩い。あとでお直しすればいいかな?」
そう思っていても、Tシャツによってはバランスが極端に悪くなってしまう場合もあります。
洋服はそのままで着るのが理想。どうしてもお直ししたい場合は、そのTシャツがどんなデザインなのかをよーく見たうえで検討してみてください。