小柄の小松です。今回はシワが目立たない白のブロードシャツについて。
“シャツ”は洋服に関するサイトで紹介されることの多い基本的なアイテム。
けれど洗濯後にシワだらけになるシャツだと、アイロン掛けが面倒で段々着なくなるという人も多いのではないでしょうか?
そこで今回はアイロン掛け不要で着れるユニクロの白シャツを紹介。毎年出てる定番のシャツですが、2020年モデルは細かい工夫が詰まってることがわかりました。
【レビュー】ユニクロの長袖スタンドカラーシャツはノンアイロンで着れる素材
こちらが今回紹介するユニクロのエクストラファインコットンブロードスタンドカラーシャツ
身長162cmの小松はホワイトのSサイズを購入しました。
シワが目立たないエクストラファインコットン生地
まずタイトル通りですが、このシャツはアイロン掛けしなくても着れる素材になっています。
“ブロード”というのは、ビジネスや冠婚葬祭で使われる薄手でツルッとした光沢のあるシャツ生地のことですが、多くのブロードシャツは洗濯するとシワだらけになるのでアイロン掛けが必須。
けれどこのシャツは特殊な加工をすることで、洗濯後にシワが目立たなくなるよう工夫されているんです。
ところどころシワが見えますが、通常のブロードシャツと比べるとダラしなく見えない程度におさまっています。
スーツで使うシャツだと、基本的にシワはNGとされています。着古したジーンズをイメージするとわかりやすいですが、シワは普段着の象徴。スーツとは真逆のラフな印象が強くなってしまうんですね。
ですが今回のシャツは仕事用を想定していないタイプのもの。通常のYシャツの襟部分だけをカットしたような形です。
こういった襟は”スタンドカラー”と呼ばれますが、大きな襟のないスタンドカラーシャツはあくまで普段着を想定したアイテム。
ネクタイを締められない形なので、このシャツが”オフ向け”なのは何となくイメージできるかと思います。
そして基本的にシャツ=大人びたアイテムですが、シワがあると普段着の要素を足すことができ、キメすぎな印象を防ぐことができるんですね。
商品名のエクストラファインコットンというのは、繊維が細長くてキレイな印象の出る生地のこと。高級ブランドのドレスシャツでも使われる素材のようです。
つまり素材自体はスーツ要素の塊。けれどアイロン掛けせずに着ると、シワ・デザインで普段着としてのバランスを取ることができるんですね。
「いくら普段着でもシワが少しでもあるのは嫌!」という方はアイロン掛けしてもいいと思いますが、しないほうがラクなうえにキメすぎな印象も防ぐことができる。
たかが素材といえばそうですが、オシャレさ・便利さの両方を意識した絶妙なバランス。このシャツ最大の特徴といっていいでしょう。
無地のポケット無しだが、他のデザインにも違いあり
このシャツは数あるスタンドカラーシャツの中でもかなりスッキリした形に見えます。
その1番の理由は、通常のYシャツにある胸ポケットが付いていないこと。
胸ポケットというのは洋服に自然な装飾をプラスしてくれるものですが、これがないことでミニマルな印象が強くなっている。
本来あるべきものを”引き算”してると考えるとわかりやすいのではないでしょうか?
この”引き算”という発想は他のパーツを見ても感じとれます。それはこのシャツの中央が”裏前立て”になっていることです。
前立てとは、ボタンを留める穴のあるシャツ中央の生地のこと。
たとえばこのシャツを見ると、ボタン左右に縫い目が見えてるのがわかるかと思います。
こういった仕様は”表前立て”と言われています。
一方ユニクロのシャツは表に縫い目が見えていません。
上のブラウンシャツと比べると、かなりスッキリした雰囲気を感じるかと思います。
けれど裏返してみると、ブラウンシャツと同じように左右に均等な縫い目がありますよね?
前立てが裏に隠れている状態。つまりこのシャツは”裏前立て”というつくりになっているんですね。
裏前立てのほうがスッキリして見えるわけですが、表面に凹凸がなくなったことでシワが目立たないというメリットもあり、アイロン掛けするときも簡単。
今回ポケットも廃止してますが、ポケットも洗濯するとシワができやすい部分の1つ。
つまり裏前立て+胸ポケット無しというのは、極限までシワが目立たないための工夫だとも考えられるんですね。
ちなみにボタンはプラスチック性ですが、安っぽさは特に感じません。
貝ボタンほどではないけれど、光の反射で程よくキレイな印象が出るボタン。
幅も厚さもかなりコンパクトなつくりになっているので、ボタンだけが悪目立ちすることがありません。
それと細かい話ですが、他のブランドと比べると襟が少し低くなっていました。
実はスタンドカラーシャツは襟が高すぎると顔を大きく見せてしまうというデメリットがあります。その点でいうと、顔の大きさがコンプレックスという人向け。
数字にすると3ミリ程度の違いですが、どこまでもミニマルな印象を追求するストイックさのようなものを感じます。
一見どこにもありそうな無地のスタンドカラーシャツですが、ポケット無し・裏前立て・ボタンの大きさなど、かなり細かいところまで計算されている。
ちょっと大げさですが、いろんなアプローチで限界までデザインを削ぎ落とした”引き算されたシャツ”といっていいでしょう。
“少しゆったりめ”なサイズ感で選ぶ
サイズ選びの注意点ですが、程よくゆったりめになる大きさがおすすめ。
以前買ったモデルと比べると肩幅が少し広めですが、シャツ裏には”絞り”が2ヶ所入っているので、部分的に窮屈な着心地になる可能性があります。
全体的にがっしり体型の僕はSサイズを選びましたが、肩幅・身幅ともに少しだけ緩いサイズ感です。
とはいえあまり大きいサイズを選ぶと裾の長さが目立ちやすいです。
無印良品や他のブランドのカジュアルシャツだと、1番下のボタンと裾の間隔が狭いことが多いですが、ユニクロはこの間隔がビジネスシャツと同じように広め。
この形だとシャツの着丈が長く見えやすいもの。大きすぎるサイズだと、1枚で着たときにダラシない印象を与える可能性が高くなります。
ちなみに袖丈は腕の短い小松だと、親指の付け根が隠れるくらいの長さでした。
そして袖先は他のブランドだと妙に細く、ボタンを閉じると腕まわりが窮屈になることもありますが、このシャツはキツすぎず緩すぎない幅があります。
ユニクロは2本の絞りこそ入ってますが、ボタンを閉じてもゆとりができる幅なので、ストレスを感じにくい形といえるでしょう。
洗濯前後の伸び縮みを比べました。
着丈・袖丈は変わらず、肩幅・身幅が少しだけ縮んだ状態です。
このシャツはオンラインストア限定なので届いて実物を見るまでわかりませんが、洗濯では”ほぼ変わらない”という認識で問題ないかと思います。
白シャツは単体で普通に着ると体型がバレやすいので難しいところですが、おそらく他のブランドの細身シャツよりは体型がバレにくいサイズ感。
アイロン掛け不要で着れるレベルのシワ加工と、極限まで削ぎ落とされたデザイン。シンプルながら奥が深いシャツだといえるでしょう。ユニクロ スタンドカラーシャツ