小柄の小松です。今回は洋服好き男性のユニクロへの主張について。
以前こんなツイートをしました。
とあるブロガーさんが「ユニクロの服は買わないほうがいい」という記事を書いてました。
・ストーリー性に欠ける
・服好きとしては物足りない
・お気に入り度が低い
・所有欲が満たされないあくまで"ファッションアイテムとしては"と書かれてましたが、どう解釈しても違和感しか出てきません。
— 小柄の小松 (@komatsu162) March 22, 2020
とあるブロガーさんが「ユニクロの服は買わないほうがいい」という記事を書いてました。
・ストーリー性に欠ける
・服好きとしては物足りない
・お気に入り度が低い
・所有欲が満たされない
あくまで”ファッションアイテムとしては”と書かれてましたが、どう解釈しても違和感しか出てきません。
洋服好きの人間にとってユニクロは物足りないらしい。
ちょっと誤解を生む表現に感じたので、これについて考えていきたいと思います。
「ユニクロの服は買わないほうがいい」と語るハイブランド好き男性への違和感
ということで上のツイートの通り、ユニクロの服を買わないほうがいいのかを考えます。
そのブロガーさん(仮にAさん)と記事リンクは伏せつつ、なるべく原文の通りに引用することを心がけます。
ユニクロの服はストーリー性に欠けるデザインなのか?
上記のAさんは当初ユニクロで洋服を買う頻度が多かったそうです。
どうしても服にお金をかけられない時期、注目のコラボアイテムが出たときは購入していたけれど、途中から買うのをやめたんだとか。
肌着はいまでも買っているけれど「ファッションアイテムとしては買わなくなった」ということらしいんですね。
その理由として、ユニクロの服は”裏のストーリーが見えにくい”ということをあげています。
服好きの人の多くは、その服ができるまでの背景・ストーリー・バックグラウンドを含めて愛着を持っているという話。
たしかにストーリーが見えるとその洋服をさらに好きになるというのはあります。
ただここで問題なのは、ユニクロのアイテムは1つひとつにストーリーを感じにくく、所詮は量産服のようなものだと記事内に書いてあることです。
ここ数年のユニクロは海外デザイナーとのコラボ企画がとても多いですが、Aさんはこれも含めてそう感じるようです。
同価格帯のブランドよりは少し上、一部の商品はセレクトショップのオリジナル品よりは品質が高いこともある、と。
Aさんはドメスティックブランドをはじめとしたデザイナーズブランドを好むと書いています。
要はデザイン性の高い日本のブランドが好きということだと思いますが、ユニクロはデザイナーズブランドと比べるとはるかに劣っているらしいんですね。
Aさんはみんながデザイナーズブランドを着ればいいとは思ってないそうですが、この劣っているという表現にはどうも違和感がある。
たとえば元エルメスのデザイナーであるクリストフルメール氏が関わるユニクロUのジャケット。
これがデザイナーズブランドブランドよりはるかに劣っているというのが僕にはわかりません。
デザイナーズブランドということなら、僕の持っているsoe(ソーイ)のコートがそれに当てはまります。
この2つに差があるかと言われても、正直劣っているというほどの差は感じません。
むしろデザイナーズブランドの服を知れば知るほど、ユニクロの服作りのクオリティの高さが見えてきます。
一見普通に見えるテーラードジャケットに、いろんな角度からデザインに足し算・引き算を繰り返し、その年のトレンドに合わせて形を調整する。
ここには間違いなくストーリーがある。どちらというと購入する側が読み取れるかどうかの話です。
パッと見は毎年似たような服ばかり出してるように感じるので、ストーリー性を感じにくいのは間違いないですが、劣っているというのは誤解をうむ表現と言わざるを得ません。
ユニクロの服だと所有欲が満たされない?
さらに書かれていたのはユニクロの服を持っていても所有欲を満たされる人は少ないだろうという意見。
その服を持っているだけで、着ているだけで得られる高揚感のようなもの。それを感じづらいのがユニクロの服だという話です。
ユニクロの服で所有欲が満たされるのは少数派なのでしょうか?
僕は2019年頃に極端な洋服の断捨離をしましたが、それまで持っていた2016年ユニクロUのコートはかなりお気に入りでした。
洋服が増えすぎたら最小限にしてしまえと大幅に捨てたり売ったりしてしまいましたが、いまでも後悔してる洋服の1つです。
数年経ったことでいまの洋服のトレンドとは形にズレが出ますが、いま手元にあってもトレンドに合わせた着こなしをつくれる自信があります。
こちらは2017年発売のユニクロ×JWアンダーソンのキルティングジャケット。
2019年秋冬にフリマサイトで購入したものですが、所有欲を満たすどころかもはや生活の一部。これも次の秋冬のトレンドに合わせて着こなす方法が浮かんできます。
知人にも数年前のユニクロ服をずっと持っていて、いまでも現役で使っているという方は結構いらっしゃいます。
ユニクロ、デザイナーズブランド、海外の老舗ブランド。どれだろうが、時間をかけて選んだ服なら所有欲を満たしてくれる。
ユニクロで満たされないと聞くと、むしろ値段の高さだけで服を選んでいるんじゃないのと言いたくなります。
「インフルエンサーのユニクロ着用頻度」については共感
とはいえAさんの主張には共感できることがありました。
「ファッションインフルエンサーがユニクロを着る回数はそこまで多くないのでは?」という意見です。
多くのブロガー・YouTuber・インスタグラマーがユニクロのオススメ品を紹介しています。
たしかにオススメであることは間違いないのでしょうが、実際に着る・洗濯するを繰り返して”普段着”として使っている方は少ないように感じます。
大量にプチプラ服をオススメする方は、おそらく早い段階で大半を手放している可能性もあります。
https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/419545?yclid=YJAD.1584881947.gmg8Qwudcq19U7S2JwzYu4WpxTtoXUlh2LPqrAfjhqZ.Pfi_L_7uprLcVORRKg–&color=05
“洗濯したら乾きにくい”などの情報がほとんどないのもそれが原因だと思います。
実際ユニクロUのパーカーをオススメする人は日常でほとんど使ってないんじゃないのと言いたくなります…。
もしそれに惑わされて毎回オススメ品を買っていたら、使いにくさを感じて、所有欲も満たされずすぐに飽きてしまいやすいのは事実です。
日本を代表するヨウジヤマモトのデザイナー山本耀司氏はこんな言葉を残しています。
一日に何回も、ファストファッションで買い物するなんて、少しは疑問持てよ。
一着の服を選ぶってことは一つの生活を選ぶってことだぞ。
あくまで”何回も買う”ということに疑問を投げかけているので、絶対に買うなという意味ではないですが、それが起きやすいのは事実ですね。
ただ1着の服を選ぶ=高い服が正解というわけではない。そこは誤解してほしくない部分です。値段は要素にはなりますが、それが”決め手”というわけではないですから。
ブロガーAさんの主張は共感する部分もありましたが、デザイナーズブランドよりはるかに劣っているとか、所有欲が満たされるのが少数派というのはちょっと極端な表現。
ユニクロ・ハイブランドに関わらず、いい洋服のデザインや素材使いには必ず理由があり、ストーリーもあります。
ブランド側が全部説明してくれるのが理想ですが、現状それを読み取れるかどうかは僕ら次第。
「ユニクロの服は買わないほうがいい」という主張は、誤解を生みやすい極端な表現ではないでしょうか。