小柄の小松です。今回はユニクロUの洋服の特徴について。
ユニクロUは海外デザイナーのクリストフルメールとのコラボ企画ですが、そのなかでも定番アイテムとなっているのが”クルーネックT”。
生地に厚みがあって耐久性が高いTシャツですが、このガサっとした素材はTシャツの子どもっぽさを加速させるというデメリットもあります。
ただでさえラフなTシャツなのに、ユニクロUはなぜこの素材で展開し続けるのでしょうか?今回はその理由を考えていきます。
ユニクロUのクルーネックT(半袖)がスーピマコットン素材じゃない理由【レビュー】
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こちらが今回のテーマとなるユニクロUのクルーネックT。
このブログでも何度か取り上げてるアイテムですが、厚手で立体的な表情がある素材が最大の特徴です。
しかしよくよく考えてみると、こういった素材を使っていることに少し違和感を持つ人もいるのではないでしょうか?
「なんで大人っぽい素材の”スーピマコットン”を使わないのか?」と。
クルーネックTと5部袖Tの違い
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まず最近のユニクロUが展開してるTシャツの傾向を確認していきます。
左が今回のクルーネックT、右がオーバーサイズクルーネックT。
実はこの2つの服は、デザイン・シルエット・素材のアプローチが全く異なるアイテムです。
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まずオーバーサイズTですが、通常のTシャツよりポケットが低くついています。
袖も半袖ではなく5部袖。裾丈も前後で違っており、形だけ見ると普通のTシャツよりもラフな印象が強いアイテム。
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しかし素材はツヤの出る加工がされています。
ツヤとはシャツ・スラックスなどスーツの大人びた雰囲気を足してくれる要素。
つまりオーバーサイズTはデザインや形をラフにしたぶん、素材でツヤを出して子どもっぽくなりすぎないよう調整していることになります。
✴︎エアリズムコットンオーバーサイズTなどもこれと同じようなアプローチをしています。
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一方のクルーネックT、形自体はシンプルな無地Tシャツです。
ユニクロの通常ラインと比べると着丈や袖丈がやや長いですが、基本的には普通のTシャツのシルエット。
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素材は厚手で、カラーによっては複数の色が使われていたりします。
表情のある素材なので、1枚で着たときは普通の無地Tシャツより地味にならないという特徴がある。
クルーネックTとオーバーサイズTを比べると、デザイン・シルエット・素材のアプローチが全く逆になっているのがわかるかと思います。
けれどそもそもTシャツってラフなアイテムですよね?
それがガサっとした素材だとさらに子どもっぽく見えてしまうので、たとえば黒スキニー+スニーカーだとバランス的にはカジュアル寄りになる。
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ユニクロには”スーピマコットン”という綿素材を使ったTシャツがあります。
扱ってるのは1枚で売ってるものと、2枚組の肌着型。かつてはユニクロUでも取り扱っていました。
スーピマコットンを使えば子どもっぽいTシャツに大人びた要素を出してくれるはず。なのに最近はユニクロUで無地のスーピマTを扱う様子がありません。
なぜわざわざカジュアルになる素材を使っているのか?
それは最近のトレンドが大きく影響してると考えられます。
ヘビーウェイトのほうが使いやすい理由
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実は最近のトレンドを考えると、ツルッとしたTシャツよりユニクロUのヘビーウェイトTのほうが使いやすいのです。
というのも最近は柄物や目立つ素材、さらにワイドパンツなど形に変化のあるアイテムが多め。
そういったアイテムと合わせる場合、ユニクロUのTシャツの素材はとても相性がいいといえるんですね。
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実際に使いやすさを比較してみます。
左はツルっとした凹凸のないTシャツ。右がユニクロUのクルーネックTです。
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この2つをよく見てほしいのですが、左はTシャツよりジーンズのほうが目立っているように感じませんか?
右は色の明るさ・素材の表情で上半身が目立つ自然な組合せですが、左は暗い色で素材はツルッとした平坦なもの。
感覚的な表現になってしまいますが、要は普通のTシャツの素材だと、ジーンズのツヤ・明るさに負けてしまうんです。
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合わせるパンツが黒スキニーならそういった問題は起きにくくなります。
上半身のほうが少しでも明るければ、下半身が目立つようなことがないからです。
でも最近流行ってるアイテムは、黒スキニーより幅広で明るいものが多いですよね?
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そうすると、たとえばタックインをしたときも若干の違和感が出てきます。
上記はどちらも上下を近い色でまとめていますが、ツルッとした左のTシャツのほうスラックスに”負けている”ように見えるはず。本当に若干ですが。
これだけならまだ問題ないレベルですが、こういった違和感が重なると、全体で見たときにバランスの悪い服になる可能性が高くなってしまうんです。
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だからといってスーピマコットンのようなツルッと素材が完全にNGというわけではありません。
実際こういった明るい色を選んであげれば、このデニムのツヤに負けない存在感を出すことができます。けれど選び方は限られてくる。
今回はパンツとの相性だけを見てますが、デザイン・シルエット・素材に変化のある最近の服と合わせる場合、いまのユニクロUのTシャツのほうが便利ということになるんですね。
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ただし、ユニクロUのTシャツを使うときは全体の着こなしで工夫が必要になってきます。
少し触れましたが、表情のある素材を使ったぶん単体では子どもっぽく見える。そこで靴やバッグを大人びた素材にして、全体のバランスを取る必要が出てくるんですね。
数年前までは普通の服を普通に着る”ノームコア”というトレンドがありましたが、当時と今では全体のバランスが大きく変わっています。
なので当時の感覚で服を選んでいると、最近の服と合わせたときに違和感が出やすい。昔といまでは”シンプルな服の基準”が変わってきているともいえます。
なかなか伝えるのが難しい話ですが、今回のポイントをまとめると…
・ユニクロUのTシャツは最近の服と合わせやすい
・子どもっぽくならないバランスを考える必要がある
・昔と今ではシンプルな服の基準が変わった
スーピマコットンのTシャツを絶対に再販しないという保証はないですが、無地Tシャツに関してはこういった”トレンドとの相性”が背景にあるかと思います。
細かい話でしたが、洋服を選ぶときはぜひこの考え方を頭の片隅に入れてみてください。
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