小柄の小松です。今回はスラックスをアンクルパンツとして使うときの注意点と解決策について。
ジーンズの着こなしとしてファッション雑誌やサイトなどで紹介されることの多いのが”ロールアップ”という方法。
裾をまくることで長いパンツをスッキリ見せ、足元に立体感を与えてくれる便利なテクニックですが、スラックスの場合はモノによって上手くいかないこともあります。
そこで今回はユニクロのEZYアンクルパンツを使って、ロールアップよりもスラックスを綺麗に見せられる方法を模索しました。
スラックスのロールアップは落ちるしシワがつくので”ダブルにお直し”が正解?
繰り返しになりますが、メンズファッションの定番テクニックである”ロールアップ”はスラックスだと失敗する確率が高いです。
ジーンズは生地に厚みがあるのでやりやすいですが、スラックスの場合はまくったときにシワができやすいからです。
こちらがスラックスの丈を1回、2回まくってロールアップした状態。
生地の薄いスラックスをまくると空間ができてしまい、裾まわりに余計なボリュームとシワが溜まってしまうんです。
そもそもパンツは位置によって幅が違うものがほとんど。幅が均等なら折り返してもキレイですが、そうでなければシワが寄ってしまうのは自然なことなんですね。
ジーンズなら生地の幅が違ってもフィットしやすいので問題ありません。
シワが目立つことなく裾に適度な厚みを出してくれるので、ほとんどのジーンズはロールアップして穿いたほうがいいくらいです。
一方のスラックス。元がどれだけ綺麗なシルエットだとしても、まくった瞬間に形が歪んでしまいます。
しかも生地が軽いのでズリ落ちやすく、その度にまくり直すことになるので面倒。スラックスのロールアップは結構デメリットが多いんです。
じゃあスラックスはジーンズのようにロールアップすることはできないのでしょうか?
そこで考えたのが、裾を”ダブル”にしてしまう方法です。
スラックスの裾はシングルというノーマルタイプの他に、折り返しのあるダブル仕上げというのがあります。
左がロールアップ、右がダブルのスラックスです。
ダブルはロールアップと違って、最初からシワ・ボリュームが出ないようにする加工なので、裾まわりがもたつくことがありません。
裾をキレイに見せつつ足元に立体感をプラスしてくれるので、デザイン性の高い靴との相性もいい。ロールアップよりダブルのほうが綺麗に見せやすいんです。
とはいえダブルのスラックスはほとんど売っていないので、たいていはシングルタイプをお直ししてつくることになります。
そこで特に低身長男子がスラックスをダブルにお直しするときの3つのポイントを書いていきます。
EZYアンクルパンツなら”丈長め76cm”を使う
まずダブルのお直しで1番気をつけてほしいのは、もとの裾丈が長いパンツを選ぶという点。
まくるだけのロールアップと違って、ダブルのお直しには倍以上の長さが必要になってくるからです。
お直し屋さんに訊いたところ、たとえば幅4cmのダブルに仕上げるためには、約10cm近く裾丈をカットしなければならないそうです。
今回使ったスラックスはSサイズのユニクロ EZYアンクルパンツ(丈長め76cm)
これは実店舗で扱ってないオンラインストア限定のアイテム。あまりにも長すぎるので、本来なら低身長男子が絶対に買うことのないスラックスです。
この裾丈76cmのパンツを丈61cmに仕上げてもらいましたが、余った生地は4,5cmだけ。本当に10cmほど使われています。
店舗で売ってるEZYアンクルパンツのSサイズは67cm。これをダブルにしたらかなり短い丈になってしまうので、この場合に限っては丈長めを選ぶ必要があるんですね。
ダブルの幅は低身長男子だけど4cmにしました
ダブル仕上げといっても、幅をどれくらいにすればいいのかは結構悩むところ。今回は少し長めの幅4cmにしてもらいました。
身長が低いぶん、ダブルの幅も狭くしたほうが良さそうに思えますが、幅が狭すぎると全体のバランスがおかしくなることもありえます。
たとえばこの着こなしではスラックスをロールアップしてますが、このときの幅は約3cmほど。
スニーカーが大きいので少しわかりづらいですが、幅が狭いと顔の大きさや全体のバランスが取りづらくなってしまうんですね。
これは小物の合わせ方と全く同じ考え方です。
低身長男子の着こなしでは普通の男性より”先端”が目立つやすいので、少し大きいくらいがちょうどいいという場合が多いんです。
ということで今回は思い切って幅4cmのダブルにしています。
人によって好みが分かれると思いますが、少なくとも幅は3.5cm以上にするのが適しているといえます。
裾幅は”内側だけで”16cmに詰めました
丈の長いスラックスをお直しするので、それに合わせて裾幅も細くする必要があります。
ただ今回の裾幅お直しは”内側だけで詰める”という方法にしています。これは僕のふくらはぎが太いことが理由です。
ユニクロのスキニージーンズの裾幅お直しのときは両側から詰める方法でした。
ジーンズは脚にほどよくフィットさせたほうがいいんですが、スラックスは脚に引っかかるとシワが寄り、両側からの幅詰めだとシワが目立ちやすくなってしまうんです。
これは2018年にお直ししたユニクロのEZYアンクルパンツ。裾幅は今回と同じ16cmです。
当時は脚をクロスして誤魔化していたんですが、よく見ると左足のふくらはぎが詰まっていることがわかります。
両側から幅詰めしたことで、スラックスの外側が窮屈になり、形が歪んでしまっていたんです。
なので今回は内側だけ幅詰めしています。
ふくらはぎが太いと、どのみち少しシワができてしまいますが、それを最小限に抑えることはできます。
ちなみに内側だけの幅詰めのほうがお直し料金が安くなるというメリットもあります。店に寄りますが、両側詰めと比べると違いは1500〜2000円くらい。
ユニクロのパンツはもともと綺麗なシルエットなので、お直しすると部分的に歪みが出てきやすい。なのでスラックスのお直しは低身長男子ほど慎重にやってほしいです。
細かい話ですが、今回の3つのポイントを気をつけてもらえれば、脚が太くてもシルエットが綺麗なアンクルパンツをつくることができるでしょう。
着こなしのテクニックとして紹介されることの多いロールアップ。
スラックスの場合は薄い素材だとシルエットが悪くなりがちので、アンクル丈に関してはダブルにお直しが1番キレイに見せやすい。
低身長男子でもスタイルが良ければここまでこだわる必要はありませんが、脚の太さにコンプレックスがある方は検討してみてください。